いび茶の取り組み

農業経営

戦後の桂地区は、茶と染物の原料となる柿渋を採取する柿の混植園と、水田が混在する零細な個々の農家で経営する茶作りが行われていましたが、その後の地域の在り方について桂地区役員が話し合った結果、茶生産に地域がまとまって面的に取り組むこととなり、昭和43年に当時約130戸の農家が集まり、緑茶共同加工施設を整備し運営していくこととなりました。

いび茶の茶畑

昭和53年には、約190戸の農家で農事組合法人桂茶生産組合が設立され、以後、全国に先駆けた50m区画の圃場整備や、防霜ファンの設置、乗用型摘採機の導入等を順次行い、省力化、高品質化を進めてきました。
平成3年からは、契約栽培による「碾茶栽培」に取り組み、碾茶加工施設を追設した。平成19年からは、「かぶせ茶」においても契約栽培を開始し、付加価値の向上によるイメージアップと経営の安定を図ってきました。

防除情報・使用基準の組合員へのメール配信による周知徹底と、生産日誌の記帳徹底・確認を図ることにより、生葉仕入れ段階での農薬残留等のリスクを排除し、異物混入を防止しています。

平成21年には、農作物の安全、環境への配慮、生産者の安全と福祉、農場経営と販売管理について、定められた140の点検項目(チェックリスト)を実践・改善したうえで、外部審査機関により認証される「JGAP」を6月に取得しました。この結果、組合内のルールが確立され、確実な実施と点検により、適切な農場管理による品質保証が可能となるため、更なる有利販売に努めるとともに、産地の体質強化に向け取り組んでいます。

現在は、AsiaGAPを取得。

地域社会活動

地域との関わりでは、地元の農業に愛着を深めてもらうことを目的に、20年以上前から子供達の茶摘体験、工場見学を実施しています。組合も積極的に協力し茶の魅力を伝えています。また、地域の各種イベント等へも積極的に参加し、試飲や美味しいお茶の淹れ方講習会等を通して県内外の消費者に「美濃いび茶」の魅力を伝えていています。
さらに、戦国時代を起源とする桂古代踊りの復活・保存・伝承を、組合員が地域の中心となって取り組んでおり、平成17年にはこれらの取り組みが評価され、桂区として豊かな村づくり全国表彰事業で農林水産大臣賞を受賞しました。

※資料制作協力 : 西濃地域揖斐農林事務所
: 全農 岐阜県本部 園芸部